悩みもカタルシスも地味な翻訳
こんばんは。石渡です。
ありがたいことに翻訳の納品が続きまして、ブログをさぼっていました。
翻訳が捗らないので、サボりつつ久しぶりにブログを開き、
この捗らない原因と、翻訳にまつわる小ネタを今日は書いてみます。
翻訳の仕事についてはレートまで開示しているのですが、
実際何やってるの?っていうのは
結構謎じゃないでしょうか。
そもそもよく、通訳さんと間違われるしね。
通訳は、会話や会議、講演をその場で口で訳をする人。
翻訳はテキスト、文字から文字の訳をするひと。
でも、これはもうどらえもんの翻訳こんにゃくのせいにしたい。
だって本当は通訳こんにゃくだよね、あれ。
でも、アプリなどでは音声翻訳などどいう言葉も生まれてきているし、
やっぱり、藤子先生は時代の10歩くらい先を行かれてたのだろうか。
さて。
そんな地味な翻訳ですが、
知らない単語が沢山出てくる、知らない業界の訳はやはり難しいです。
何故かというと訳にかかる前のリサーチが、一定量必要だから。
未知の領域からの依頼が来るときは、
「この言葉は日英両方の言語で、この分野ではまずどんな文脈で使われるのかな」
と調べるところから入ります。
日本に戻り、ある事務所でデバイス機器の仕様やアプリの翻訳に携わったところから、
ぐっとIT業界に近くなり、
三年ほど恵比寿にある某米国系IT企業でインハウスで翻訳(要は従業員として時給で対価をもらって)やっていました。
当時IT系の翻訳にがっつり入っていく時も、やはり最初は日本語でも何のことかわからないので、めっちゃアルゴリズムやプログラミング、データベース、コードの本を読み漁りました。
ついでにコードを書けるようになれたら良かったけど、まあそれは若者に託しましょう。向き不向きが人にはある。
でも、そうやって全く知らないことを学ぶのは、渇いたスポンジに水がしみていくように、のろくても素直に入りやすい。
けれど、苦戦するのは
ある意味では、見慣れてる単語が、別の意味で使われていることを見落とす
という状況ではないでしょうか。
これがおそろしい誤訳の生まれ方、だと思います。
誤訳は、うまい訳がでず苦しんだ結果、ひねり出す意訳とは違い、
そもそも間違えているのに気づいてないから、「何かこの訳しっくりこないな」っていうもやもや感があっても、誤訳を前提に進めていくから、
気づいたときには、ボタンの掛け違いから来る、それ以降の箇所へのダメージもひどい。
という最悪なループにはまるのです。
でも、それに「は!」と気づくと
オセロのようにさーーーと霧が晴れて、何事もなかったかのように捗ったりします。
今日は神奈川は雨ですが、
そんな霧が晴れて欲しいな...と思いつつ、訳する日でした。
結構一晩寝ると、分かったりするんですけどね。
問題も、解決も、ひたすら地味ですが、話したくないときに余分な事を話さなくてすむし、引きこもれるし、やはり好きな仕事です。
次こそ辞書ネタを書きたいと思います。
ではでは。
石渡